結論市原市では31地区で土地区画整理事業が行われ、2025年8月28日現在、事業中なのは北五井と八幡宿駅東口の2地区です。事業中の地区でも、仮換地や保留地の土地を買って家を建てることはできますが、建てる前に土地区画整理法第76条にもとづく市長の許可が必要です。換地処分のあとには、施行者による登記が済むまでほかの登記ができない期間があり、清算金の徴収・交付も行われます(2026年10月4日時点で公表されている資料と法令にもとづく記述です)。
市原市の土地の物件資料には、所在地の欄に「仮換地」「保留地」といった言葉や、「北五井土地区画整理事業(施行中)」のような事業名が書かれていることがあります。土地区画整理事業の地区にある土地です。
区画整理の地区でも家は建てられます。ただし、事業のどの段階にある土地かによって、建てる前に必要な手続きと、買ったあとに続く手続きが変わります。このページでは、市原市が公表している土地区画整理事業の一覧と各地区の資料、土地区画整理法の条文をもとに、事業の段階ごとに確かめることをまとめました。住宅会社の比較は扱っていません。本サイトが書く情報と書かない情報の区分は、掲載情報の範囲と確認方法のページにまとめています。
このページの結論
- 市原市の区画整理:31地区・約1,908haで行われ、事業中は北五井と八幡宿駅東口の2地区です
- 仕組み:地権者が土地の一部を出し合う減歩で道路や公園の用地を生み出し、土地を配置し直します(換地)
- 建てる前:事業中の地区では、家の新築にも土地区画整理法第76条にもとづく市長の許可が必要です
- 土地の呼び名:仮換地は使える土地、保留地は施行者が売り出す土地で、物件資料の表記を証明書で確かめます
- 換地処分のあと:施行者の登記が済むまでほかの登記ができず、清算金の徴収・交付も行われます
- 調べ方:いちはらマップで地点の土地区画整理事業を確かめ、市の一覧表で事業中か換地処分済みかを見ます
目次
市原市では31地区で区画整理が行われ、事業中は北五井と八幡宿駅東口の2地区
市原市の土地区画整理事業一覧表には31地区が載っており、市原市域の施行面積の合計は約1,908haです。2025年8月28日現在、事業が続いているのは、市が施行している北五井と八幡宿駅東口の2地区で、残りの29地区は換地処分を終えています。
| 施行者 | 地区数 | 施行面積 | 主な地区 |
|---|---|---|---|
| 市(事業中) | 2 | 614,345㎡ | 北五井、八幡宿駅東口 |
| 市(施行済) | 7 | 1,629,853㎡ | 八幡北部、五井駅前(第一工区・第二工区)、姉崎駅前、姉崎駅西口、新田・下宿、岩崎 |
| 県 | 3 | 2,134,355㎡ | 市原特別工業地区(第一・第二・岩崎) |
| 組合 | 12 | 8,582,478㎡ | 国分寺台、君塚、五井西、青柳、五井駅前東など |
| 都市機構 | 2 | 4,975,715㎡ | 千原台、潤井戸 |
| 個人 | 5 | 1,148,106㎡ | 姉崎住宅団地、八幡浦南部、八幡浦北部など |
| 合計 | 31 | 19,084,852㎡ | (市原市域) |
表の組合と都市機構の欄にある国分寺台・千原台(ちはら台)・潤井戸(うるいど南)は、換地処分を終えた大規模な住宅地で、その成り立ちと地区計画の決まりは市原市の住宅団地の成り立ちのページで整理しています。
事業中の2地区は、どちらも駅の近くで、道路や公園などの公共施設が足りないまま市街地が広がった区域を整える事業として始まりました。事業の規模と進み具合は次のとおりです。
| 項目 | 北五井 | 八幡宿駅東口 |
|---|---|---|
| 位置 | JR内房線五井駅から北東約1km | JR内房線八幡宿駅の東口に接する区域 |
| 施行面積 | 約35.8ha | 約25.6ha |
| 計画人口 | 3,900人 | 2,500人 |
| 施行年度 | 平成元年度から令和11年度 | 平成5年度から令和9年度 |
| 平均減歩率 | 21.5%(公共21.0%、保留地0.5%) | 22.6%(公共22.6%、保留地0%) |
| 進捗状況(市の公表) | 78.9%(令和7年度末) | 98.7%(令和6年度末) |
八幡宿駅東口地区について、市は換地処分に向けて事業を進めていると説明しています。千葉県の土地区画整理事業の実施状況の地区別一覧表(2026年4月1日現在)では、八幡宿駅東口は「概成段階」、北五井は「本工事着手(50〜90%)」の段階に分類されています。なお、県の表では市原市の地区数が30と数えられていますが、面積の合計は市の一覧表とほぼ同じです。このように市と県の資料で数え方が違う箇所は、ほかの項目もあわせて市原市で新築を建てる前に知っておきたいことのページで表に並べています。
区画整理は、土地の一部を出し合って道路と公園をつくり、土地を配置し直す事業
土地区画整理事業は、区域内の地権者がそれぞれの土地の一部を出し合い(減歩)、その土地で道路や公園の用地を生み出したうえで、宅地の形や位置を整えて配置し直す(換地)事業です。施行者は、事業の費用に充てるために、一部の土地を売り出す保留地として残すこともあります。
出し合う割合を減歩率といいます。道路や公園などにあてる分を公共減歩、保留地にあてる分を保留地減歩と呼び、合わせたものが合算の減歩率です。市原市の一覧表では、合算の減歩率は地区によって0.6%から46.8%まで幅があります。
北五井では、公共用地の割合が18.8%から35.8%になる計画
市原市の一覧表によると、北五井地区の公共用地率は、事業前の18.8%から事業後の35.8%に上がる計画です。区域のうち道路や公園などにあてる土地の割合が約2倍になり、その分、宅地にあてる土地の面積は全体として減ります。
換地では、事業前の土地(従前地)と事業後の土地(換地)の位置や形が変わることがあります。土地区画整理法は、事業の最終段階である換地処分の公告があった日の翌日から、換地が従前の宅地とみなされると定めています(第104条)。それまでのあいだ、土地の所有者は、次の章で説明する仮換地を使って暮らしたり家を建てたりします。
事業中の地区では、家を建てる前に土地区画整理法第76条の許可が要る
土地区画整理事業の地区では、事業計画の決定などの公告があった後、換地処分の公告がある日まで、家の新築や土地の造成などを行うには、許可を受ける必要があります。市原市が施行する北五井と八幡宿駅東口では、許可をするのは市原市長です。
市原市の土地区画整理法第76条申請についてのページは、事業が認可・公告されると、次のような行為には市長の許可が必要になると案内しています。
- 建築物やその他の工作物の新築、改築、増築など
- 盛土、切土、土の入れ替え、埋め立てなどによる土地の形質の変更
- 重量が5トンを超える物件の設置や堆積
申請先は地区によって違い、北五井は区画整理事務所、八幡宿駅東口は八幡事業所です。申請書は2部提出し、敷地と仮換地の境界線や都市計画道路の位置を書き入れた配置図、立面図などを添えます。建てる場所が保留地の場合は、保留地証明書の写しも必要です。北五井の手続きの案内では、費用は無料で、許可書が出るまでの目安は1週間程度とされています。
この許可は、建築確認とは別の手続きです。住宅の設計がまとまった段階で、建築確認の申請と並行して進められるよう、早めに窓口へ相談しておくと工程を組みやすくなります。北五井の案内は、従前地に建築などを行う場合は、事前に施行者と十分に協議するよう求めています。
仮換地・保留地・従前地:事業中の土地の呼び名と、買う前に取る証明書
事業中の地区の土地は、仮換地、保留地、従前地のどれにあたるかで、使える土地と権利の中身が違います。物件資料にどの呼び名で書かれているかを確かめ、施行者が出す証明書で裏づけを取ってから契約に進みます。
| 呼び名 | 指しているもの | 使える土地 | 確かめる書類 |
|---|---|---|---|
| 従前地 | 事業前の土地。登記簿にはこの土地が載っている | 仮換地が指定されると、従前地そのものは使えなくなる | 登記事項証明書、仮換地の底地証明書 |
| 仮換地 | 換地処分の前に、従前地の代わりに使う土地として指定された土地 | 換地処分の公告の日まで、従前地と同じように使える | 仮換地証明書、仮換地予定証明書 |
| 保留地 | 事業の費用に充てるため、換地として定めずに施行者が売り出す土地 | 施行者から取得した人が使う | 保留地証明書 |
| 換地 | 換地処分で確定した事業後の土地 | 換地処分の公告の翌日から従前の宅地とみなされる | 換地処分による登記の後の登記事項証明書 |
土地区画整理法第99条は、仮換地が指定されると、従前の宅地を使っていた人は、仮換地を同じように使えるようになり、従前の宅地は使えなくなると定めています。登記簿に載っているのは従前地のままなので、物件資料の地番と、実際に家を建てる土地の位置が一致しないことがあります。
市原市は、仮換地や保留地を証明する手続きを地区ごとに設けています。仮換地証明書は、土地の売買、金融機関の融資、相続税の申告などで仮換地の証明が必要な場合に、権利者とその家族が申請できます。保留地証明書は、保留地を取得した人が申請するものです。北五井では、計画している道路の幅員の証明書や、換地を定めない土地の証明書も取れます。登録免許税の軽減に使う住宅用家屋証明書は、仮換地では住所を底地番に設定して取ることになり、その手続きは千葉県の新築の税金と減税のページで整理しています。
事業中の2地区のうち、減歩の内訳に保留地があるのは北五井(0.5%)で、八幡宿駅東口は保留地が0%です。北五井の保留地の土地を売買したり、融資を受けたりするときは、市の案内のとおり保留地証明書で取得者であることを確かめます。
換地処分のあとは、登記が止まる期間と清算金の手続きがある
換地処分は、区画整理の工事と手続きを終えて、換地を確定させる最後の段階です。換地処分の公告があると、施行者がまとめて登記を行い、その登記が済むまでは、地区内の土地と建物について、ほかの登記ができなくなります。あわせて、換地の評価の差を金銭で調整する清算金の徴収・交付が行われます。
仮換地の指定
施行者が、工事や換地処分のために必要なときに、従前地の代わりに使う仮換地を指定します(第98条)。この時点から、土地の所有者は仮換地を使います。
工事と建物の移転
道路や公園、宅地の造成工事と、建物の移転が進みます。この間に家を建てる場合は、第76条の許可を受けます。
換地処分の公告
換地が確定し、公告の日の翌日から、換地が従前の宅地とみなされます(第104条)。第76条の許可が必要な期間も、この公告の日で終わります。
施行者による登記
施行者が、事業による土地と建物の変動の登記をまとめて申請します。公告の日の後、この登記がされるまでは、地区内の土地と建物についてほかの登記をすることができません(第107条)。
清算金の徴収・交付
確定した清算金を、施行者が徴収または交付します。分割で徴収・交付することもできます(第110条)。
登記ができない期間は、土地の売買による所有権の移転や、住宅ローンのための抵当権の設定にも関わります。換地処分が近い地区で土地を買ったり家を建てたりする場合は、換地処分と登記の予定を施行者に確かめ、売買や融資の時期をそれに合わせて考える必要があります。
清算金の額は換地処分の時点で確定します。換地処分の前に仮換地を買う場合は、将来の清算金を売主と買主のどちらが負担するかを、売買契約の中で取り決めておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
区画整理を終えた地区でも、地区計画など別のルールが重なることがある
換地処分を終えた地区では、第76条の許可は要らなくなりますが、区画整理にあわせて地区計画が定められている地区では、その地区計画のルールが続きます。区画整理を終えた土地でも、用途地域や地区計画の確認は欠かせません。
事業中の八幡宿駅東口では、第76条の許可とは別に、八幡宿駅東口地区地区計画の届出が必要です。市の八幡宿駅東口地区地区計画の届出についてのページによると、届出先は第76条の申請と同じ八幡事業所です。市原市の地区計画の16地区と、地区計画で加わるルールの例は、市原市の用途地域と建てられる家のページで整理しています。
区画整理の区域が、都市計画の区域区分そのものに関わった例もあります。市原市の市街化調整区域の審査基準にある線引き日の一覧には、市東第一土地区画整理事業の区域が2005年11月1日に市街化調整区域へ編入された(逆線引き)ことが載っています。市街化調整区域で家を建てられる条件は、市原市の市街化調整区域で家を建てられる条件のページで整理しています。
市が建築確認の前に使う事前チェックシートの市街地開発事業の欄には、事業中の2地区のほかに、「平田」と「八幡宿駅東口第二」の名前も並んでいます。これらは市の土地区画整理事業一覧表には載っていないため、候補地が近くにある場合は、扱いを都市計画課に確かめてください。
候補地が区画整理のどの段階にあるかを確かめる手順
候補地が区画整理の地区にあるかは、いちはらマップの地点照会で確かめ、市の一覧表で事業中か換地処分済みかを見て、事業中なら証明書と第76条の許可を、換地処分済みなら清算金と登記の状況を、施行者に確かめる順に進めます。
いちはらマップで、地点の土地区画整理事業を確かめる
市の地図情報サービスいちはらマップの都市計画図で候補地の都市計画情報を出し、「土地区画整理事業」の欄に事業名が入っているかを見ます。都市計画情報の出し方は、市原市の用途地域と建てられる家のページの手順と同じです。
市の一覧表で、事業中か換地処分済みかを見る
市の土地区画整理事業一覧表と施行箇所図のページで、地区の施行者、換地処分の日付、施行年度を確かめます。
事業中なら、土地の呼び名と証明書を確かめる
物件資料の土地が仮換地か保留地かを確かめ、売主を通じて仮換地証明書や保留地証明書を見せてもらいます。道路の幅は、計画している道路の幅員の証明書でも確かめられます。
建てる前に、第76条の許可を受ける
事業中の地区で家を建てるときは、建築確認とは別に、区画整理事務所または八幡事業所に第76条の許可を申請します。地区計画の区域なら、届出もあわせて行います。
換地処分済みでも、清算金と登記の状況を確かめる
換地処分の日付が入っている地区でも、施行年度が続いている場合は、候補地の清算金や登記の状況を施行者に確かめ、そのうえで契約の判断をします。
よくある質問
Q市原市で区画整理が行われている地区はどこですか?
市原市の土地区画整理事業一覧表(2025年8月28日現在)では、事業中なのは、市が施行している北五井地区(五井駅の北東、約35.8ha)と八幡宿駅東口地区(約25.6ha)の2地区です。一覧表に載っている31地区のうち、残りの29地区は換地処分を終えています。
Q仮換地の土地を買って、家を建てることはできますか?
できます。仮換地が指定されると、換地処分の公告の日まで、仮換地を従前の土地と同じように使えます。ただし、事業中の地区で家を建てるには、建築確認とは別に土地区画整理法第76条の許可が必要です。買う前に、仮換地証明書で土地の位置と面積を確かめます。
Q保留地とは何ですか?保留地を買うときは何を確かめますか?
保留地は、事業の費用に充てるために、換地として定めずに施行者が売り出す土地です。売買や融資、相続税の申告などで保留地を取得したことの証明が必要なときは、施行者が出す保留地証明書を使います。市原市で事業中の2地区のうち、保留地を設けているのは北五井地区です。
Q区画整理の地区で家を建てるとき、建築確認のほかに必要な手続きはありますか?
あります。事業中の地区では、家の新築や盛土・切土などに土地区画整理法第76条にもとづく市長の許可が必要で、市原市では北五井は区画整理事務所、八幡宿駅東口は八幡事業所が窓口です。地区計画が定められた区域では、地区計画の届出も必要になります。
Q換地処分のあとは、土地の売買や登記に影響がありますか?
あります。換地処分の公告の日の後は、施行者による登記がされるまで、地区内の土地と建物についてほかの登記ができません。また、換地の評価の差を調整する清算金の徴収・交付が行われます。換地処分が近い地区では、売買や住宅ローンの時期を施行者の予定と合わせて考えます。
まとめ
市原市では31地区で土地区画整理事業が行われ、2025年8月28日現在、事業中なのは北五井と八幡宿駅東口の2地区です。事業中の地区でも仮換地や保留地の土地に家を建てられますが、建てる前に土地区画整理法第76条の許可が必要で、土地の呼び名に応じた証明書で権利を確かめておく必要があります。
換地処分のあとには、施行者の登記が済むまでほかの登記ができない期間があり、清算金の徴収・交付も行われます。換地処分を終えた地区でも、地区計画が定められていればそのルールが続きます。
候補地が区画整理の地区にあると分かったら、事業中か換地処分済みかを市の一覧表で確かめ、事業中なら証明書と第76条の許可を、換地処分済みでも清算金と登記の状況を、施行者の窓口で確かめておけば、土地を買ったあとに続く手続きまで見通して契約できます。
出典
- 市原市の土地区画整理事業一覧表と施行箇所図/市原市
- 市原市土地区画整理事業一覧表(2025年8月28日現在)/市原市
- 北五井土地区画整理事業のご紹介/市原市
- 八幡宿駅東口地区の概要/市原市
- 土地区画整理法第76条申請について/市原市
- 区画整理地区内(北五井)で建築行為等を行いたい/市原市
- 区画整理地区内(北五井)の仮換地証明書を入手したい/市原市
- 区画整理地区内(北五井)の保留地証明書を入手したい/市原市
- 八幡宿駅東口地区地区計画の届出について/市原市
- 土地区画整理事業の施行者別実施状況/千葉県
- 千葉県の土地区画整理事業地区別一覧表(2026年4月1日現在)/千葉県
- いちはらマップ(都市計画図)/市原市
- 土地区画整理法(e-Gov法令検索)
情報確認日:2026年10月4日 本ページの記載は、この日に確認した市原市・千葉県の公表資料と法令にもとづいています。事業の期間や進み具合、手続きの窓口は変わることがあるため、最新の内容は各リンク先と施行者の窓口でお確かめください。


編集部注
千葉の新築ノート 編集部
市原市の土地区画整理事業一覧表には、地区ごとに換地処分の日付と施行年度が並んでいます。日付の列を追っていくと、換地処分の日付が入っているのに、施行年度がその後も続いている地区があります。姉崎駅前は2017年5月26日に換地処分をしていて、施行年度は令和8年度まで。新田・下宿は2020年6月12日に換地処分をしていて、施行年度は令和11年度までです。
一覧表には、その理由は書かれていません。区画整理の地区を「事業中」と「終わった地区」の2つに分けて考えがちですが、換地処分の日付だけを見て手続きがすべて終わったと決めず、候補地の清算金や登記の状況を施行者に確かめてから、土地を決めるようにしてください。